交通ルール啓発ブログ
"高速道路通行料、原則1000円"は愚の骨頂
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昨年10月に麻生総理が自ら会見で打ち出した「高速道路通行料1000円」案。当初聞いた時は、総選挙を目前に"外資バブル崩壊"で露わになった急激な不況に対抗する景気浮揚策を形だけ示した"アドバルーン"で、実現度が極めて低い「荒唐無稽な思いつき」と思っていたのだが、1月16日に国土交通省と高速道路管理会社6社との間で高速道路料金の値下げ案の内容が合意に達し、平成20年度第2次補正予算案が可決成立すれば今年3月から実施すると発表するなど、現実味を帯びてきた。
そこで、当ブログは今までの発表を基に改定後の通行料の概算を算出してみた。
高速道路の有効活用・機能強化について - 国土交通省
このニュースを聞いた貴兄の中には、「高速道路の料金ゲートをくぐればどこまで行っても1000円」と勘違いされた人がいるかも知れない。正しくは
にするとの試案が出されている。
(「大都市近郊区間」は、既存の割引制度が適用されるものの通行料金が加算)
例を挙げると、継続使用の最長ルートとなる青森自動車道・青森東インターチェンジから東九州自動車道・西都(さいと)インターチェンジまで(2101.5km)の通常料金は39,850円であるが、上記で計算すると同区間の通行料は、
の合計3,900円(全ての大都市近郊区間で深夜割引が適用の場合)になる試算だ。
深夜割引=入口料金所と出口料金所の区間を午前0時から午前4時までに通過した場合、距離に関係なく通常料金の5割引。
余談となるが、最短ルートにこだわらなければ東北自動車道・郡山ジャンクションで磐越自動車道、更に新潟中央ジャンクションで北陸自動車道に乗り換えて、米原ジャンクションで名神高速道に合流するルートを選択すれば、都内の首都高速と大都市近郊区間は通らないことになるから、料金は更に下がって2,150円(大都市近郊区間で深夜割引が適用の場合)で済むことになる。(北陸自動車道・上越ジャンクションから上信越自動車道、更科ジャンクションから長野自動車道、岡谷ジャンクションから中央自動車道を経由して、小牧ジャンクションで名神高速道に抜けるルート、北陸自動車道・小矢部砺波ジャンクションから東海北陸自動車道を経由して、一宮ジャンクションで名神高速道に抜けるルートも同額)
しかしながら、この"公約"の実現で生じるNEXCO2社・首都高速道路株式会社・阪神高速道路株式会社の収益減を補てんする担保はどこも謳っていない。いわば、日本道路公団時代の巨額な負債を解消させるために政府が発足させた民間会社に政府自体が新たな負担を押し付け、国からのゴリ押しで道路管理会社が煮え湯を飲まされた、というのが正しい解釈であろう。仮に"ETC普及のため"とのメリットが存していたとしても、利用するのは既にETC搭載車が大半というのでは、道路管理会社各社のプロフィットは皆無に等しい。
他方で、もう一つの理由付けである「地方の経済活性策」だとしても、定番の観光地やテーマパークだけに人が押し寄せ、「勝ち組・負け組」の縮図をますます露わにさせるだけである。
確かに、ドライブ好きの小生からみればガソリン価格の下落と相まって、実現してもらえればこれほどうれしいことはない。殊に昔から是非やってみたかった「高速道路一気乗り」が実現するという期待もある。だが、この"公約"は定額給付金と同様、消費税アップを目論む政府・与党・財務官僚から出された"交換条件"であることは明らかであり、市場の株価上昇条件が見いだせない状況でのバラマキは何の対策にならないことは、すでに経済学では「リカードの等価定理」と呼ばれ定説となっている。小泉政権下の「聖域なき構造改革」の展望の甘さから付け込んでくる財務官僚の思惑から生じるツケを、本格的構造不況が目前に迫る中で民間に押し付けるべきではない。断腸の思いだが、"高速道路通行料、原則1000円案"を小生は支持しない。
【追記 - 2009.01.25- 】
ネタフルさんのブログを拝見していたら、「大阪圏の別料金1500円」となっていた。調べると共同通信社から配信を受けた記事を引用した媒体は、すべて同じ表記になっている。小生が改めて大阪地区の大都市近郊区間の通行料を調べてみた。
名神高速から中国道に抜けるルートは
- 大津(名神)→吹田JCT→西宮北(中国道)<通常料金2,300円>
- 瀬田東(京滋バイパス)→大山崎JCT(名神)→吹田JTC→西宮北<通常料金2,650円>
のいずれかが一般的だが、通常料金でも深夜割引適用で半額となっても「1500円」とはならない。週明けにも共同通信に訊いてみようと思っている。
【追記 - 2009.03.19- 】
"高速道路1000円"を盛り込んだ第二次補正予算案は国会で3月4日に成立し、実現することになりました。詳しくは続報をご覧下さい。
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